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大雪ちょっとだけ寝雪
この冬は全国的に大雪となったが金沢の雪は一度にたくさん降ることはなかったものの年末から三日と間を空けず続けて降ったから運動場や除雪の進まぬところでは雪が積もったままで寝雪のようになった。寝雪(ねゆき)とは降った雪が春先まで融けず地面を覆う状態のことで根雪と他地方では書くそうだが金沢では寝雪と書く。なぜそう書くのかは知らないからこれはあまり根拠のない妄想になるが、外は雪が積もり歩きにくいから仕事や学校のほかは家の中にいる、このごろの言い方では不要不急の外出を避ける、しかし家にいてもなにもすることがないのでごろりと横になる、つまり寝ているしかない雪、という意味で金沢人は寝雪と言ったのかもしれない。
8日の衆院選の日は雪が降った。大雪というほどではなかったがずいぶん前から天気予報が大雪になると脅していたから金沢でも期日前投票をする人が多かった。市役所やショッピングセンターでは1時間以上も待って投票したらしい。家の近くの市民サービスセンターでも金曜と土曜の午後は期日前投票の車が駐車場に入りきらず順番待ちをして付近は大渋滞となった。
ぼくは当日朝早く投票に行ったが投票所の小学校の駐車場はきれいに除雪してあった。しかし歩いて来る人が多い。それはそうだろう、小学生のこどもが雪の道を歩いて学校へ来るのだ、大人が歩いて来られぬことがあるものか。大きな車が校門を入って来た。それがスリップしてやっとのことで駐車場に辿り着いた。足腰の弱った年寄りでも載せてきたのかと思ったら下りてきたのは30代に見える男女ふたりだけだった。風邪でもひいているのか。
ちなみにこの選挙は自民党の圧勝野党の惨敗に終わったが、その理由は投票率に大雪は関係なかったという事実の説明にもなる。
寝雪という言葉を聞かなくなってかなりになる。降雪量がうんと減ったからというだけではない。幹線道路に融雪装置が完備して除雪も迅速に行われるようになったし一家に一台どころか一人一台車を持つようになって歩いたほうが早いだろうというすぐ近くでも車で行くようになり外が雪でも不要不急の外出をするようになった。 2026年2月18日 虎本伸一(メキラ・シンエモン)
写真:虎本伸一
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